「警察学校」を知っていますか?警察官を目指す人が採用後に入る研修寮のようなものです。
この記事を読むことで、警察官に興味がある人、これから警察官になる人に対して警察学校のリアルな日常を知ることができ、何に注意すればいいか、何が学べるか、就職後のギャップを少なくすることができるでしょう
結論
①ストレスやしんどさに対する忍耐力
②時間と規律を守る
③再就職をするのに転職サイト選びが重要
警察に就職できたのは自己PRと志望動機を熱く語る!
私は大学卒業後、最初の就職先は地方公務員『警察官』でした。大学生の時の仲が良かった先輩が警察官になったことにあこがれ、公務員への憧れ、昔からルールを破る人に対して怒りの感情を含めた正義感があったこともあり、大学3回生のころから勉強と筋トレに励み、合格することができました。
警察官に採用に至った時の自己PR・志望動機は『法律順守(悪い奴が許せない)』『市民の役に立ちたい』を熱く話しました。面接前に知り合いのOBと面談をして採用の傾向を学び、モチベーションを上げたのが大きかったと思います。
そして迎えた入職初日!自分では警察官になる準備ができている『つもり』で入社場所へと向かった自分に教官から向けられた第一声は・・・
「なんだその髪型は!!」でした。
私は就職活動と同様に清潔感のあるような短髪のつもりでしたが(黒髪でソフトモヒカンに似た髪型)、ここではふさわしい髪型ではありませんでした。周りには坊主頭の人も結構いていましたが、事前に調べた情報では『坊主は囚人のイメージのためダメ』とあったので坊主頭は避けたのですが、結果的に坊主頭の方が正しかったのです(後に教官から「囚人のイメージなので禁止」と言われ禁止されますが)。しかも指摘してきた警察官が自分の学級(小中高のようにクラス分けがあります)の教官になることになり、悪い印象をもたれて目をつけられてしまったのです。
これから入職する人は、清潔感のある短髪にするようにしましょう。
警察学校での日々
警察学校での日々は過酷なものでした。繰り返しますが言葉では言い表せれないくらい過酷です。6時には起床して決められたジャージに着替え、グラウンドに整列し2km走ります。
最初の3日間は耐えられますが、基本的に入職後数日で寝不足になるので、日に日に体力が削られていく感覚があり、1か月までは慣れるまで辛かったです。毎日がストレスと疲労の日々でした。
入職したのは4月でしたが、過酷な訓練で早くも熱中症と疲労との戦いでした。
体力と気力が削られ、お金もない時に重宝したのが『粉末のポカリスエット』今まで使ったことがなかったのですが、当時の手軽でおいしく、体に染みわたる感覚は今でも忘れられません。
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その後それぞれの配属された委員会での清掃などの業務を行ないに行き、朝食です。食事はクオカードのようなものを通して清算です。基本的に1日のスケジュールは細かく分けられているため時間がなく、食事は絶対に注文しなければならない(食事を頼んだかどうかはクオカードで確認されます)ため、食べたことにするために注文だけして配膳されたご飯をそのまま捨てている人もいました。もちろん食べたくなかったからではありません。それほど時間に厳しく余裕がなかったのです。
朝食後は制服に着替えて教官室に行き一日の指示を仰ぎに行きます。当番制でクラスの中から4人で行くのですが、入室時に4人の息があっておらず歩行がバラバラだったり、1人でも制服や姿勢に乱れがあると指示をもらえず、追い出されてしまい、クラス全員に迷惑をかけてしまいますので責任重大です。
その後再びグラウンドに集合し朝礼。イメージとしては北朝鮮の軍隊のような行進をします。整列や行進が乱れていると何度もやり直し、その後筋トレなどの様々なペナルティーが科せられます。
朝礼後は講義(授業)に参加します。ここからも非常に厳しいです。特に時間や規律については事前に厳しいことは有名なため知っていたつもりでしたが、想像のはるか上の厳しさでした。
集団行動でいちいち整列や敬礼、軍隊のような歩幅も合わせた移動でした。誰かひとりが規律を乱すと連帯責任。全員が腕立てや陽の当たるグラウンドで立って待つなど、『学校』という名前ですがむしろ昔の軍隊のような印象です。
髭のわずかな剃り残しや革靴に少しでも汚れがついていたら激しく罵倒されます。それこそ手が出ますし足がでます。私は敬礼のポーズを10分以上していた時に腕が下がったら腹部を蹴られて悶絶しました。普通に体罰が通っていましたね。教官いわく「現場はこんなもんじゃない」です。毎日男女の涙を見ましたね、当然私も悔しさや辛さや痛さで泣く場面がありました。
警察学校内では学級が分けられており、それぞれの教官の方針によって就業後(17時以降)も訓練があったり、土日に家に帰れたりなど細かなルールが変わります。私のいた学級ではゴールデンウイークまで帰省は禁止でした。給料の使い道も指定されており、携帯も使用できないのでストレスが大きかったですね。
授業では眠ることは厳禁、うたた寝をしようものなら「税金泥棒!!」と怒鳴られて廊下で壁に向かって立たされたり、殴り飛ばされます。教官からの質問に対して答えることができなければその場で腕立て腹筋を100回行なうこともありました。
剣道や柔道の授業があり、実力者は特待生という枠があり、国体やオリンピック選手候補として特別授業がありました。今思い出しても吐き気がするほどしんどかったトップ2が「教練」と「警備訓練」ですね。教練は手帳やけん銃の整備や集団行動に関すること、警備訓練は災害の時に見る特別服や盾を使用した訓練ですが、言葉では言い表せないほどしんどいものです。拳銃の取り扱いはとても緊張しましたし、同期や教官の緊張感は一層高まっていたのが印象的でした。
休憩時間や余暇時間はありません。ホームページでは談笑している写真が使われたりしていますが、本当に時間がありません。授業が終わると教官指導のもと筋トレや反省会です。食事時間や入浴時間はいつもギリギリです。実際にご飯を食べれなかったり風呂に入れないこともあり、さらに怒られました(普通に殴る蹴るがあります)。数分売店で買い物ができる時間がありますが、駄菓子を買って終わりです。警察学校時代にこれほど駄菓子がおいしく、貴重に感じたことはありません。人間規制が強くなるとその中で得られる楽しみが倍増することを体感しました。
入浴後は自由時間となっていますが、自由はほとんどありません。それぞれの相部屋(4人で一部屋)では3か月前に入学した先輩(高卒の年下もいる)が1人いて室長と呼ばれていました。私の部屋の室長は優しい人で何度も励ましてくれました。(いびきはうるさかったですが 笑)翌日の準備(靴磨き・アイロンがけは徹底)、授業で学んだことの復習(次回の授業で教わったことができない、答えられなければどんな目にあうかと恐怖でいっぱいでした。実際に教官が授業をボイコットしたことがあります。)、各委員会で備品の整備(トイレットペーパーなど)を必死にしました。ゴミを捨てる時は、小さくまとめる目的なのか、お菓子の袋でも何でも『くくってから捨てる』といった規律を守らなければ呼び出しでした。今思い出しても謎のルールです。
まさに地獄のような日々!!!同室の同期とは一生の関係と言われているのがわかる気がしました。なんせ苦しみや喜びを文字通り共有・共感するのですから。
しかし、交番勤務の研修を終え、学生気分が抜け切れていなかった未熟な私は理想とのギャップの大きさに耐え切れず、辞表を提出してしまいました。毎年1~2割は辞めるそうですが、私もその中に含まれることとなりました。
転職の仕方は超重要
警察官を退職後、半年ほど無職や短期アルバイトでつないでいた私でしたが、ようやく転職先をみつけることができました。その際に感じたことは転職活動の中でも転職サイト選びは超重要!ということです。警察官時代に時間やお金の大切さを身に染みた私は慎重になりつつ、なかなか仕事を決められないことに焦っていました。
ハローワークを活用したことはありますが、結論ハローワークはなしです。玉石混交と言われますが、あまりにも待遇面が悪く、そもそも求人数は多くても一つひとつの情報量が少ないため、選ぶことが困難です。
私が警察官をやめてから始めた転職活動での悩みや得られた学びについてはコチラの記事にまとめています
転職の際には自分の得意なこと、やりたい仕事に特化した転職サイト選びや自分のスキルを売り出し、企業からオファーがくるタイプのもの、エージェントがサポートしてくれるといった優良な転職サイトを複数利用することをオススメします。
理系就活生のためのスクール型就活支援【TECH-BASE Engineering】
警察官を退職後にドラッグストア店員へと転職しましたが、そこでも退職することになった苦い経験があります。
転職の時に誰もが経験する『よくある失敗を3つ』書いた記事があるので参考にしてください ↓
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