【本の要約】日本版FIRE超入門 ※具体的な資産形成例だけではなく、日本の年金制度も考慮したFIRE本です
山崎俊輔さんの『日本版 FIRE超入門』を紹介します。山崎さんは日本のFP有資格者であり、巷で人気のFIRE本のような外国人の成功体験ではなく、日本人が現在の社会制度でFIREを目指す際の具体的な道筋を示してくれています。「30歳でFIRE」と言った海外での節税制度にもとづいた個別株投資や不動産投資などの華々しい成功体験ではなく、目標設定を行ったうえでの注意点や制度の補足など、標準的な老後に照らし合わせた、まさに日本人向けのFIRE入門書です。
FIREとは『Financial Independence Retire Early』の略で『経済的自立をし、早期リタイアをする』という意味です。
2019年の『老後2000万円問題』が話題になりましたが、本書ではこの問題が近年のFIREムーブメントに結びついていると主張されています。「老後のためにお金を蓄えておかねばならない」と老後のお金や仕事に対する将来の不安から火が付いたと書かれており、同時にFIREという魅力的な言葉に踊らされて怪しい金融商品のセールストークに使われていると警鐘をならしています。本書はいい意味で夢を壊して現実的に考えさせてくれました。こしかし、「30歳代からのチャレンジでもFIREは十分に可能」「まずはプチFIREを確実に手に入れよう」と言われており、非常にためになる本でした。最後に重要な『FIRE後のメンテナンス』も紹介されており、これも国の制度を活用した手続きの説明や資産チェックなど非常にためになったので是非とも手に取って一緒にFIREを目指していきましょう!