私は元警察官ですが、警察官からドラッグストアの店員へ、ドラッグストアの店員から電話回線の営業職へと転職を繰り返した経験があります。転職の時に自分に合った職業が分からず悩んでいる人に対して、転職を繰り返した経験と現在採用を担当する立場からの視点で、同じような悩みを持つ人に失敗談から得られた学びを伝えます。
この記事を読むことで、転職に失敗しないための『自分の本当にやりたいことを探す重要性』を知り、成功につなげることができるでしょう。
【結論】
・転職先選びのポイント:自分の本当にやりたいこと、優先していること、得意なことを自覚しないと転職を繰り返すことになる
・人は環境による影響が大きい:今いる環境を客観的に見ないと鬱病になる恐れもある
・転職は様々な人間関係や仕事を経験できる一方、日本では次の転職が難しくなっていく
【ドラッグストア店員から電話回線の営業職へ】
ドラッグストアを辞めて転職活動を再開したときに感じたことは「大阪市内は仕事が多い」でした。私の住んでいる堺市も大阪の中では人口の多い政令指定都市でしたが、やはり大阪の経済の中心は大阪市内です。大阪市内と他の地区では求人数が2倍以上は差がありました。
求人数が多ければ職種や条件も様々です。2回目の転職活動で焦っていたため、自分に合っている仕事や将来に対するビジョンなどを考えずに「大阪の中心は大阪市だ。電車通勤くらい大したことない」「営業は給料が高そう。成果が出れば出るほど儲かる。とりあえず給料が高いから応募しよう」などの目先の事しか考えておらず、無理やり自分を納得させるようにして営業の求人に応募していきました。
十分な自己分析をしていなかったため、自分に自信が持てずに「採用してくれるところで働けばいい」といった甘い考えでした。
そんな中、新聞広告の求人誌から『スタートアップ』『基本給18万円+歩合5000円』『水曜日は残業なし』『未経験者OK』という営業職の情報を見てすぐに応募しました。面接に向かうとオフィスはキレイで好感がもてました。面接の結果採用され、翌月から20代から40代までの3名とともに新入社員として働くことになりました。この決断が私の失敗経験となります。
私の最初の就職先は大阪府警察でした。そこでの失敗体験はコチラの記事で紹介しています ↓
【営業の厳しさ】
「営業職は採用されやすい」当時はそう言われていました。実際に未経験の私が採用されたので比較的就職しやすい職種でしょう。しかし、言い換えれば営業職はそれだけ人の入れ替えが多く辞める人が多いということです。
私が就職した営業の仕事は電話回線の営業です。今でいう「電気会社やネット回線の乗り換え」のようなもので個人経営や企業に対し、タウンワークや顧客名簿をもとに営業の電話をしました。電話の内容は現在NTTとの契約の固定電話と携帯電話をソフトバンクに乗り換えるよう勧めるものでした。アポがとれたらすぐに営業マンが向かい、契約してしまうものでした。当時の私はこの営業スタイルにどうしても後ろめたさのようなものを感じてしまいました。
その営業スタイルというのが最初から自分たちの素性を明かさず、「固定電話の代理店をしています株式会社○○です。新しいサービスが始まり、料金が安くなります。社員がそちらに挨拶にいきますのでご都合の良い日程を教えてください」というものでした。
電話マニュアルでは
・自分たちがソフトバンクであることを言わない
・とにかく料金が安くなることを伝える(乗り換えよりもプランの見直しのような言い回し)
・相手に考える時間を与えずに日程のアポをとる
と書かれていました。同期で入社した40代の元販売職の人も「詐欺に近い」と言っていました。
しかし、料金だけを考えると安くなるのは本当なので、この部分に罪悪感を抱かないかどうか、顧客にとって利益があると信じ、前向きにとらえられるかどうかが続けられて成功する分かれ道だと思います。
また、一般的に「営業職に就いたら転職先も営業職を選ぶしかない」「メンタルと体力勝負なので年をとれば厳しくなっていく」と言われていましたが、その通りだと思います。
【環境に適応するなかで感じた違和感】
最初は詐欺だと思っていた営業電話も、同期の社員が「アポとれました!」「成約しました!」など嬉しそうに話していると焦りがでてきます。次第に自分の仕事に疑問をもたなくなり、「とにかく1件でも多く契約にとりつける!」「契約できなければ居場所がない」という考え方に変わっていきます。毎週水曜日はノー残業デーということで5時過ぎには退社しましたが、そのまま全員で居酒屋に行き飲みに行くようになると、色んな話を聞くことができて視野が広がり、いい意味で仲間でありライバルの意識が強くなり、溶け込んでいきました。
次第に水曜日以外は終電まで仕事をしていることも何も感じなくなっていきます。周りも当たり前のようにしているので心理学でいう「同調圧力」があったのかもしれません。
しかし、段々と体調を崩していきます。朝起きた時にとてつもない倦怠感があり、電車の中で寝るようにして職場に着くのを引き延ばしたい感覚があり、仕事に対する違和感が体に蓄積されていく感じがしていました。アポを取る際に相手からの「詐欺じゃないか!」「2度とかけてくるな!」などの言葉が心に残り続けていたのです。今思えば鬱病に足を踏み入れかけていたのかも知れません。相談できる相手がいたので他者と比較し客観的に自分をみることができたので「このままではマズイ」と思い退職に至りました。客観的に見てくれる人がいないと感覚がマヒしたままで疲弊して鬱になっていくのが目に見えていたので、そうなる前に辞めることができたのはラッキーでした。
【退職し学んだことは】
転職は現代社会において一般的な行動となりました。 多くの人々が新たなキャリアや経験を求めて転職を考えています。 転職には様々なメリットがあります。色んな人と出会い、刺激をもらう中で業界や分野での専門的知識を得えることができます。
しかし、転職を成功させるためには、自分が本当にやりたいことを見つけることが重要です。この重要度を知りながらも到達できていない人が多いように感じます。今自分は遠回りをしながらも「人の役に立っていると実感する仕事がしたい」という結論に至り、福祉の仕事につきました。自分の本当のやりたいことを見つけることで、モチベーションを高く維持することができ、成長を感じることができました。
私は運よく鬱病になる前に退職することができましたが、退職する際には上司に伝えるのはとても心苦しかったですし、会社側からしても新人育成期間の社員が辞めることは無駄な時間をとらせてしまったと思います。このような双方にデメリットが生じるケースは発生させないように転職活動を進めるべきだと教訓化することができました。
今の仕事もすぐに見つかったのではなく、ハローワークで職業訓練を受けながら自分がやりたいと思える分野に絞って数社受けました。しかし、これまでの短いスパンでの転職の経歴は悪いイメージをもたれているのが面接官の言動からひしひしと伝わりました。ここでも自己PRや自己分析の重要性を知ることになります。
恥ずかしながら、転職を繰り返してしまった私の前回の反省の記事はコチラ ↓
この記事を合わせて読むことで転職の失敗を回避することができるでしょう
【まとめ】
転職を繰り返す原因は、本当にやりたいことや得意なことが見えていないからです。自分に合わない仕事や納得できない仕事を続けることはできますが、環境の影響が大きく、知らず知らずのうちに鬱病などのリスクも伴います。
転職は様々な人間関係や仕事を経験する機会ではありますが、日本では次の転職が難しくなっていますので、しっかりと自己分析をして転職活動に取り組む必要があります。
もちろん転職は誰もが未経験から入ります。転職活動を始める際には自分の棚卸しなどの事前準備が重要です。
私のように遠回りをしないためにも以下の記事を参考にして「やることリスト」を作成してみてください。
コメント