集中

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本の要約

4Focus 脳が冴えわたる4つの集中

 皆さんは勉強やスポーツで「集中力をあげたい」「やる気をあげたい」など思ったことはないでしょうか?昨年度は『鬼滅の刃』が大ヒットし、「全集中!」という言葉をよく耳にしましたね。私も好きです。  今日は青砥瑞人(あおとみずと)さんの『4Focus 脳が冴えわたる4つの集中』について解説します。  やる気や集中力は脳に深く関りがあります。脳についての理解を深めればやる気や集中力が高められることができます。この本で紹介されているのは4つの集中ですが、『入門集中』『記銘集中』『俯瞰集中』『自在集中』を行き来することができれば、無限に集中することができると筆者はいうのです。さらに、心理的安全状態を確保することで、ドーパミンとノルアドレナリンを味方につけることができるとも言っています。それでは要点を説明していきます。 【①エンドレスに集中する方法】  ①心理的安全状態を確保する・・・心理的安全状態とは心が安心している状態のことで、著者は「凛とした脳」と例えています。この「凛とした脳」の状態だと集中力が長く続きやすいと言っています。これは持続した集中力ですね。  ②ドーパミンとノルアドレナリンを利用する・・・この2つはどちらも「やる気・集中力」に関わる脳内物質であり、ドーパミンは『ワクワクする集中』、ノルアドレナリンは『緊迫感のある集中』であり、著者は「激しく燃える脳」と言っています。この「激しく燃える脳」の状態だと大きな集中力を発揮することができます。これは瞬発力のある集中力ですね。 【②凛とした脳と激しく燃える脳の違い】 (1)「凛とした脳」・・・『心理的安全状態』の時の脳ですが、心が落ち着いており自制心が働く特徴があり、集中力が持続します。反対に危険、恐怖、不安を感じているような『心理的危機状態』の時は脳の前頭前野の機能が低下するため脳のパフォーマンスも低下します。  要するに脳の最高中枢である前頭前野の機能低下を防ぎたいのです。前頭前野は『やる気、客観的思考、論理的思考、記憶力、感情制御、集中力、コミュニケーション』を司っており、脳の前頭前野が発達している人程、長期的に利益となる選択がとれたり、周囲と良好な人間関係を築くことができます。  心理的安全状態を維持するためには『自律神経を整える』『目的の明確化』が必要になります。自律神経(血液循環や体温調整や消化など自分の意思に関わらず自動で働く神経)は心理的安全状態と密接な関係にあり、睡眠・食事・運動といった生活習慣を整えることや、ストレスをためないことが有効です。他にも、入浴でリラックスしたり、マインドフルネス瞑想も効果的です。目的を明確にすることについては、具体的に生きる目的や価値観や自分のはまっていることやゴール地点を持ち、ブレないことが心理的安全状態を確保することができます。 (2)「激しく燃える脳」・・・ワクワク感から集中力を引き出す『ドーパミン』や緊迫感から集中力を引き出す『ノルアドレナリン』の2つの特性を利用して激しく燃える脳になります。  ドーパミンはやる気ホルモンといわれるもので、ワクワク感以外にも好奇心や活力や快楽にも関わっています。「〇〇してみたい!」と思ったときにドーパミンが分泌されるのです。しかもこのドーパミンによる集中力は一番強いという特徴があります。皆さんも「嫌だな」と思う仕事や活動よりも「やりたい!」と思う仕事や活動の方が頑張れると思います。自分が憧れる先輩・上司と仕事や勉強をすることで「○○になりたい!」という目的がより具体的になり、ドーパミンが持続する傾向もあるそうです。  ノルアドレナリンは締め切り間際の集中力に関わる物質です。皆さんも夏休み最終日に集中して宿題をしたり、仕事で締め切りが近づくと集中して一気にした経験はありませんか?これは適度なストレスを感じた時に分泌される物質という特徴があります。ノルアドレナリンは「緊張・不安・恐怖」などのストレスを感じた時に分泌され、脳の機能が向上します。つまり、ストレスに大きくかかわるホルモンです。ストレスは体に負担が大きくかえって脳の機能を低下させることもあるため適度なストレスに留め、あまり頼りすぎない方が大事です。 【③4つの集中を使い分ける】  上記でも複数の集中があったように、集中には種類があります。脳科学的にみても集中というのは広く、一般的にいわれているものはほんの一部にすぎないといわれています。脳科学的には主に4種類の集中があるので、用途・目的に合わせて使い分けることが必要になります。分類分けをするには集中の『方向』と『広さ』を用います。  集中が『内側』だと意識が自分に向いている状態です。  集中が『外側』だと自分の外側に意識が向いている状態です。  集中の広さが『狭い』と意識が1つの物事にむけられている状態です。  集中の広さが『広い』とたくさんの物事を俯瞰的にとらえることができる状態です。  これらの特徴をもとに4つの集中を説明すると 【(1)方向:内側 広さ:狭い】→『記銘集中』であり1つの課題に対して思考を続けていく状態で課題を解決することができる集中です。自分の頭で深く考え続けることができ、過去の経験を振り返るといった『記憶に深く関わる集中』です。記憶に定着させたければアウトプットすると良いと言われますが、記憶したことを人に話したり、日々の生活で使うことが重要であり学んだ知識を繰り返し考えることが有効です。この繰り返し考えるというのは『自分の内側で自分と対話』することで、「なぜ?」と自分に問いかける中で過去の体験と照らし合わせることで記憶に強く定着することができます。記銘集中は自問自答しながら過去の自分の体験と照らし合わせて発揮する特徴があります。著者はサウナのような環境で自己との対話をすることで特許など様々なアイディアがうかんだと言っています。 【(2)方向:外側 広さ:狭い】→『入門集中』であり作業や勉強に最適であり、一般的に知られている集中です。一つずつ物事を処理していきたい時や相手の話をよく聞き深く理解したいときに役立ちます。ポイントとしては目的・ゴールやが明確な場面ほど集中できることです。 【(3)方向:内側 広さ:広い】→『自在集中』であり意識を離し、脳が自由自在に情報を展開させている集中で、ぼーとしながら想像・思考する集中です。意識を離れ、ありのままに自由自在に脳内の情報を展開させる集中力です。これは『マインドワンダリング』とも言われ、思考が次から次にあっちこっちへと飛んでいくという意味です。「今日のご飯は何にしようかな?」など考えることも集中であり、何かアイディアが欲しい場面の時に有効な集中です。自由な思考によって創造性が発揮されやすい特徴があり、人それぞれ自在集中に入る行動をもっています。例えば散歩や入浴やうたた寝など体を動かしているが頭は考える余裕があったり暇している状態です。たくさん学んだあとに自在集中を意識して体験利用することができるといいアイディアが浮かびやすくなります。 【(4)方向:外側 広さ:広い】→『俯瞰集中』であり全体をみることができ、感覚的・直観的に判断することができ、過去の経験をもとに瞬時に判断し集中して行動できます。脳の仕組み上、全体をざっと見渡してどこから手をつけるべきかが見えてくるようになります。経験を積んだ分野においては『俯瞰集中』を取り入れることで効率よく物事をこなすことができます。著者は真面目な人間ほどこの『俯瞰集中』が苦手な傾向があると言っており、脳科学的には直観的に行動した方が効率よくものごとをこなすことができるといわれています。自分の仕事で使える集中だと思うので是非意識してみてください。 以上4つの集中を使い分けることで、仕事や勉強のパフォーマンスをあげることができます。本書にはより詳細な説明や具体例が記載されているので是非お手に取ってみてはいかがでしょうか。
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