ネット証券大手のSBI証券にて2021年6月29日に米国株の投資信託として『SBI・Vシリーズ』が誕生することが発表されました。
https://go.sbisec.co.jp/lp/lp_sbi_v_series.html
シリーズの特徴として『低コスト』『純資産が2000億以上』『7.2兆米ドルの世界最大級の運用会社バンガード社の商品』と紹介されています。これだけでも優良ファンドの匂いがただよっていますね。
1.SBI・Vシリーズは3銘柄
①既存の『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』が『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』に変更。
②新たに『SBI・V・全米株式インデックスファンド』いわゆる『SBI・VTI』
③新たに『SBI・V・米国高配当株インデックス・ファンド』いわゆる『SBI・VYM』
以上3つのうち、②と③は楽天ですでにある『楽天VTI』や『楽天VYM』に近いものがあるため、同じような愛称で呼ばれています。
2.SBI・VTIの特徴
まず②の『SBI・VTI』ですが、S&P500が米国の上位500社の大型株の投資信託に対し、SBI・VTIは米国企業4000社になり、大型と小型株を含めた米国全体に投資できることになります。爆発的に成長する小型企業も含まれているためリターンが大きくなる可能性を秘めています。
実際に過去20年ではVTIの方がS&P500よりも70%以上のリターンを叩き出していました。未来のことは誰にも分かりませんが、米国全体に広く分散できることは大きなメリットであるといえます。
ちなみに『SBI・VTI』や『楽天・VTI』は本家の『VYI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)』を日本国内の投資信託として手軽に本家の一部を投資できるように作られたものです。
さらに特筆すべき点は何といっても信託報酬の安さ!信託報酬とは年間の保有コストであり、年0.0938%と他者に比べて最安値であることです。楽天VTIの信託報酬が年0.162%に比べると投資対象や銘柄数は同じであるにも関わらず大きな差があります。
ただ一つ注意すべき点は投資信託のコストには『隠れコスト』があることです。これは実際に運用をしてみて『運用報告書』を確認しないとわからないので必ずしもSBI・VTIが最安値とは限らないことです。現状様子見がベターかもしれません。
3.SBI・VYMの特徴
次に③の『SBI・VYM』ですが、マザーファンド受益証券への投資を通じて、主としてETF(上場投資信託証券)に投資し、FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果をめざすものです。バンガード社が運用する『バンガード・米国高配当ETF(VYM)』を主要投資対象にしています。
VYMの上位銘柄として『JPMorgan』や『Johnson&Johnson』『Home Depot Inc』などの有名企業があげれれています。どれも連続増配の銘柄ですね。
注意点として、本家VYMと違い配当金(インカムゲイン)がでないことです。これは類似する『楽天VTI』でも配当金はでないので同様だと考えてよいと思います。楽天VTIとの違いをあげるとすれば『SBI・VTI』と同様に信託報酬が安いことです。信託報酬は年0.1238%と、楽天VTIよりも約0.7%安いのが特徴です。私は高配当ETFのVYMを既にもっているため、3か月に一度配当金がでると思ってしまいましたが、『SBI・VYM』も分配金は自動的に再投資に回されるので配当金がなく、投資信託としては『SBI・VTI』の方が魅力は高い印象でした。
4.まとめ
どのVシリーズにしても、信託報酬が安く、実績のあるバンガード社の商品なのでベターであるのは間違いないでしょう。しかし、現状eMAXIS Slim米国株式を積み立てている人であれば無理に乗り換える必要性は薄いのが率直な感想です。
これから積立投資を始める人にとっては最良のファンドではないでしょうか?
○○年後に最大化した資金を得る投資信託ではなく、米国高配当ETFによる月5000円の配当金を得る方法についてはコチラの記事を読んでみてください。
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