知性を鍛える究極の筋トレ

　今日は井谷武さんの『知性を鍛える究極の筋トレ』を紹介します。著者は世界のトップアスリートのコーチもされている方です。

　筋トレは『健康管理』『いざという時に頼りになる』『自分に自信がつく』といったメリットが一般的ですが、『思考力』『知性』も鍛えれるメリットがあります。

　健康管理でいうと筋肉は体の中の体温に大きくかかわっており、人の体の熱生産の60％は筋肉です。しかも、筋肉からは100種類以上のホルモンが分泌されます。（幸せホルモンと呼べれるオキシトシン、セロトニンなど）現在は人生100年時代と呼ばれますが、健康寿命を伸ばすためにも筋トレは必須になります。

【①筋トレは年齢に関係なくメリット大】

　アメリカでは「ダイエットをするなら筋トレをせよ」と言われており、昔のようなジョギングではなく筋トレがダイエットの主流になっています。筋トレをすることで脂肪や糖質を燃焼し、基礎代謝が上がれば太りにくい体になるからです。

　しかも、現代では筋肉の量は年齢に関係なく増やせることがわかっています。「歳をとっても自分の足で歩きたい」と考える人は多いと思いますが、介護が必要になる人の原因の3割が『筋肉の機能低下』によるものです。「老化は足から」という言葉も納得です。無理せず日ごろからできる範囲で筋トレをして筋肉量を貯金しましょう。お金と違い使わなければどんどん減っていきます。

　私も高校生の時に1か月寝たきりの入院を経験しましたが、退院後に歩くことが思うようにならず、数メートル歩くのもやっとという状態になり、筋肉がこんなになくなるのかと驚きました。当時は若かったので2週間もすると日常にもどりましたが、高齢になって病気になってからだと日常を取り返すのにはるかに長い時間が必要になるでしょう。病気になってからでは遅いのです。今のうちにお金だけではなく筋肉もコツコツと貯金しなければなりません。しないと損です！

【②筋トレはダイエットに最適】

　筋肉は脂肪や糖質を消費しエネルギーにしており、生命を維持するために消費される基礎代謝の3～4割は筋肉が消費しているのです。つまり体の中で筋肉が最もエネルギー消費が大きいのです。筋肉量が減れば脂肪や糖質の代謝は下がるため肥満になります。

　しかも、筋トレをすることで分泌されるホルモンの中の『イリシン』『インターロイキン６』は脂肪を燃焼し糖を消費する太りにくい健康な体を作ります。生活習慣病の予防としても筋トレはとてもコスパが良いですね。

【③筋トレで頭も良くなる】

　さらに最近の研究で分かったことが、筋トレによって分泌される『イリシン』というホルモンは脳の海馬に働いて活性化させ、神経細胞を増やして保護する『bdnf』という物質が増えて認知機能が高まるのです。この物質により、気分が良くなって注意力が高まったり、やる気が出たり、脳の活性を促すのです。実際にドイツの研究で運動前より運動後の方が20％早く単語を覚えられることが分かりました。また、定期的に運動する人のほうがイリシンが分泌されやすいこともわかっています。

　他にも男性ホルモンと呼ばれる『テストステロン』が分泌され、モチベーションが高くなります。これはテストステロンが筋肉や骨を強くし、自律神経を整えるからです。しかも筋トレを始めてわずか10分で分泌されます。男性ホルモンとよばれますが女性も分泌されるので効果的です。

　以上が本の紹介になります。私も筋トレが好きなのですが、頭もよくなるのは知ると嬉しいですし、筋トレだけでなく勉強のモチベーションも上がります。是非読んでみてください。

　筆者は本の中で「プロテインがなくても筋肉は増やせる」と言っていますが、ジムや体操選手の友達の意見も付け加えると、筋肉を効率よく大きくしたいのであれば、『プロテイン』を筋トレ後20分以内にとることをおススメします。これは普段忙しくて食事の栄養管理が難しい人はどうしても不足しがちな『タンパク質』と『糖質』を同時に効率よくとることができるからです。また、筋トレ以外でも、厚生労働省の『食事摂取基準』によると男性は1日60ｇ・女性は50ｇ必要と言われていますが、体格や筋肉量によって変わるので、体重1kgにつきタンパク質1.5ｇ必要です。60kgの体重の人は90ｇのタンパク質が必要になるのですが、普段の食事では不足になってしまう人が多いからです。皆さんも筋トレとプロテインで健康寿命を伸ばし、資格や仕事の勉強など効率よく学んでいきましょう。