社労士でありFPの資格を持つ佐藤敦教さんの「地味なお金の増やし方」を紹介します。
この本は日本の税金とうまく付き合い、リスクよりも知識をとることでお金を増やす方法を教えてくれます。「なぜかお金が貯まらない」「年金も保険もわからない」「投資は失敗するのが怖い・・・」といった方にオススメの一冊です。
リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方【電子書籍】[ 佐藤敦規 ] 価格:1650円 (2022/7/14時点)楽天で購入 |
私の感想としてはお金を増やすと聞くと「投資」「暗号資産」が取り上げられる現代において『お金を増やす方法はリスクではなく知識』ということを学ぶことができ、自分から学んで情報を取りに行くきっかけになる本です。
本書の目次
1章『必要なお金を把握しよう』
2章『副業で稼いでお金を増やす』
3章『届け出と申請でお金を増やす』
4章『かしこく払って年金を増やす』
5章『固定費を下げてお金を増やす』
6章『手堅い投資でお金を増やす』
この6章の中から250ページの中から、2・3・4章の一部を紹介します。
結論
リスクよりも知識を取りに行こう。社内副業などで収入を増やし、申請すればもらえるお金で支出を減らし、年金を知り、賢く払って将来の不安を減らそう。
副業で稼ぐ
日本の2020年分の民間給与実態統計調査結果によると、平均給与は433万円。平均賞与は65万円で平均年収は500万円以下です。この数字は過去30年でほとんど変わらないにも関わらず、社会保険料などの税金は増えているので実質手取りは下がっているのです。
本書では本業に力を入れて昇進することが一番堅実と言っています。昇進して役職があれば転職活動も有利になることが理由としてあげられており、昇進が現実的でない場合は副業を検討することが前提として紹介されていました。
本書で紹介している副業は5種類ですが、なかでも印象に残ったものを2つ紹介します。まずは自身の会社での評価やスキルアップがメリットの『社内副業』です。残業が厳しくなっている今の時代に、合法的に残業代を稼ぎ、自分のスキルアップと信頼を構築することができるのが特長です。
次に、確実にお金が入り、他業種の人と交流して実績を示せる『自治体の仕事』も勉強になりました。本書に紹介されている自治体の求人特化のサイトを通じて自治体の仕事をとるのですが、報酬未払のリスクが限りなく低く、自分のスキルアップや実績作りとしても自治体のネームバリューがすごいので将来性があります。何よりも未来につながる人脈作りとしても有効です。
逆に、今話題のプログラミングとウェブデザインといった副業は現在激戦になっているのでオススメしない書かれていました。2022年の本だけあって、これらの職種はレッドオーシャンになっていることが分かりましたし、動画編集などは現在も良い副業として紹介されていたので、今まで読んだ副業関連の本とは別の意見だったので新鮮でした。
副業についての留意点も多数書かれており、経費の扱いの注意点。最近人気のフリーランスも現実は甘くなく、リスクも大きいため社会保険料控除や経費計上の理由だけでフリーランスへ転身するのはオススメしていませんでした。
私も好きな場所・時間といったフリーランスのメリットばかりに目がいっていたので勉強になりました。
FIREやパラレルインカムを目指す際にも共通するのが副業、支出を抑えること、節税が挙げられます。
以下の記事も参考になりますよ。
届け出と申請でお金を増やす
実は国の支援制度は手厚いです。いざとなったら助けてくれる保障や制度を用意してくれているので、申請さえすればお金をもらい、負担を抑えることができます。知らないと申請できないので支援制度を知っていることが大事です。
例えば、今いる職場でスキルアップや転職を考えた時に、資格講座や予備校に通ってスキルを身につけるとします。その際に支払う入学金や受講料が一定額戻ってくるスキルアップ支援制度があります。
『教育訓練給付金制度』と言い、3種類あります。
一般教育訓練給付金は入学金や受講料の20%給付(上限10万円)
特定一般教育訓練給付金は介護系やIT系で40%給付(上限20万円)
専門実践教育訓練給付金は対象は看護師や理学療法士などで50%給付で就職1年以内に合格、就職で70%支給ととてもお得な制度です。
実際に私の職場の人も社会福祉士の資格を通信講座で取得し、40%戻ってきていました。
『厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム』で自分の受けたい資格が対象かどうか確認できるので、資格取得を考えている人は活用してください↓
本書では他にも『出産・子育ての時』『病気の時』『失業した時』『親の介護の時』の届け出・申請でもらえるお金や支援について紹介されています。
かしこく払って年金を増やす
「将来年金制度は破綻する」そんな声を聞いたことがあると思います。しかし、結論を言うと「年金制度は崩壊しない」です。
年金は『賦課方式』なので現役の世代が納めている保険料を原資にしており、国も給付金の半分を負担しています。若い世代が減り、支給額の減少は考えられますが、このような制度的に崩壊はしないシステムなのです。
本書では「最悪のシナリオでも現役時の年収の4割はもらえる」と書かれており、そのような最悪のシナリオに備えた年金の増やし方が紹介されています。
例えば、年金の支えが一番薄いのは『自営業・フリーランス』
年金は三階建ての構造になっており、一番下の一階部分が『老齢基礎年金・国民年金』二階が会社員が加入している厚生年金保険加入の『老齢厚生年金』、一番上の三階が『企業年金・個人型確定拠出年金』です。
自営業・フリーランスは一階の国民年金のみの支給なので年金は月額約66000円程度、厚生年金加入者は月額約146000円なので月額8万円ほどの差が生じます。
著者がオススメする年金額の増やし方は『年金を払う期間を長くする』『正社員以外も社会保険に入り、傷病手当金や老齢年金上乗せのメリットを得る』『夫婦で年の差がある際には加給年金の請求をする』『年金生活者支援給付金を活用』『自営業は付加年金』です。他にも『障害年金』や『遺族年金』についても知っておくと、もしもの時に備えることができ、必要以上の保険に加入せずに固定費を抑えることができます。
他にも『ふるさと納税』を活用して賢く税金を支払う方法などもあります。楽天市場やアプリを使用してポイントもゲットできます
ふるさと納税の記事はコチラ ↓
まとめ
・過去30年で所得は増えていない。副業で収入を増やす選択肢は良いが、いきなりフリーランスの現実は厳しい
・国の支援金制度は充実している。『教育訓練給付金制度』など届け出によって負担を軽減できる制度は必ず活用しよう
・年金制度は破綻しない。しかし、減額はあり得るので『付加年金』など年金を増やす方法を知り、将来に備えよう
本書には他にも様々な支援金制度やオススメの副業、年金を増やす方法や固定費の見直しについてわかりやすく書かれています。
是非とも手に取って万が一の時に備えておきましょう
リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方【電子書籍】[ 佐藤敦規 ] 価格:1650円 (2022/7/14時点)楽天で購入 |
コメント